大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)2914 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人等の負担とする。

理 由

弁護人鍛治利一の上告趣意第一点について。

憲法三七条三項前段所定の弁護人を依頼する権利は、被告人が自ら行使すべきも

ので裁判所としては被告人にこの権利を行使する機会を与えその行使を妨げなけれ

ば足るのであり、同条項は裁判所に対し被告人に弁護人の選任を請求し得べきこと

を告知すべき義務を負わしめたものではなく、また如何なる事件をいわゆる必要的

弁護事件となすべきかは、もつぱら立法によつて決せらるべきもので所論のように

憲法三一条、三七条三項によつて定まるものではない。(昭和二四年(れ)二三八

号同二四年一一月三〇日大法廷判決、判例集三巻一一号一八五七頁、昭和二四年(

れ)六〇四号同二五年二月一日大法廷判決、判例集四巻二号一〇〇頁参照)。然る

ところ被告人等が原審において弁護人の選任を請求した証跡は記録上存在しないの

であるから、所論の中違憲の主張は明らかにその理由なくその他の論旨は単なる訴

訟法違反を主張するものであり刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第二点及び第三点について。

所論は単なる訴訟法違反の主張を出でないものであり刑訴四〇五条の上告理由に

当らない。(被告人Aの控訴趣意書における論旨第二点所論の記載は、罪数に関す

る法令違反を主張するものではなく、量刑不当論の一事情として述べられているに

過ぎないものであることは右趣意書全体を通読すれば容易に理解することができる。

従つて原審が所論の点につき判示しなかつたのはむしろ当然であり刑訴三九二条一

項の違反はない。また刑訴三九二条二項がいわゆる任意的職権調査を規定したもの

であると解すべきことは当裁判所の判例とするところであり、従つて原審が控訴趣

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意として主張されなかつた論旨第三点所論の事項につき判断をしなかつたとしても

刑訴三九七条の違反があるとはいい得ない)。なお記録を精査しても刑訴四一一条

を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決

する。

昭和二八年二月一二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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